成長企業を発展させる手法

握手する人

シェアを拡大する経営戦略

業績の拡大が軌道に乗って成長段階に入った企業の弱点の一つに、一定の市場シェアを超えたときの競合他社との争いがある。ランチェスター戦略において市場シェアの10.9%が影響目標値と呼ばれ、シェア下位の競合他社との競争が激しくなる分岐点とされる。十分な経営資源を持たないまま事業を拡大した場合、シェア争いの過程で同規模の企業に圧倒される可能性がある。シェア争いを勝ち抜いて上位を目指すために、種々の問題を解決する方法として企業買収があげられる。近年目につく企業買収は大企業が中小企業を対象に技術や人材を求めて行うものがあるが、中小企業同士でも業績の拡大に効果的だ。企業買収による効果は主に5つ挙げられる。1つ目は売り上げを拡大する効果で、シェアを争っていた同業他社を買収することで両社のシェアや販売エリア、経営資源を活用して両社の元の数値を合わせた以上の拡大を試みるものだ。2つ目はコストを削減する効果で、両社の業務の中で重複している製造や販売の拠点、人材を整理し、発注量を統合することで経営上の無駄を削減できる。3つ目はリスクを分散する効果で、同業の場合は主要顧客を増加させ、他の業種の場合は事業を複数持つことで1つの部分を失っても経営に響きにくい体質を持てる。4つ目は社内風土を変革させる効果で、次第に硬直化していく社風を再び活性化させることで社員のやる気を引き出し業務効率の向上が期待できる。5つ目は財務体質の強化で、元々業績が好調だった企業同士の買収で更に潤沢な資源を確保し、余裕を持った経営戦略が立てやすくなる。企業買収を行う際特に注意するのは、これらの効果を期待するなら双方の経営状況が好調な必要がある点だ。たとえ代替の利かない技術や人材を持つ企業であっても、落ち目であれば十分な効果は得られない。そのため、企業買収は双方が対等の立場で納得し、友好的に行われるものが高い効果を得やすいと言える。